豆腐のブログ(プロの発達障害者です)

アスペルガー当事者です。発達障害と全く関係無い話題から当事者の観点まで「ざっくり」書くつもりです。

マンガの世界みたいな人(番外編)。

彼女はとにかく日本に馴染めませんでした。一番分かり易かったのは食文化の違いで、印象に残ってるのはやはり食べ物がらみのちょっとした騒動が多かったです。今回はそんな食べ物がらみの話を書いていきます。内容はかなり長めです。

「コンビニ」
彼女は甘いものが苦手で、比較的甘さ控えめな和菓子さえ食べられませんでした。小豆などの豆を甘く煮る、アメリカではありえない発想に驚きつつ興味を持ったので試しにコンビニで大福と羊羮を買い彼女に食べさせましたがダメでした。しかし彼女は全否定せず「口当たりは良い、凄く丁寧に作っていそう」とポイントは押さえてきます。そんな彼女は良く牛乳を飲んでました。彼女がコンビニへ行くと必ず牛乳を買うので他の飲み物を勧めると彼女から「食物アレルギー持ちだから、飲めそうなの少ないんだけど、その中で水と牛乳が美味しくて飲みやすかった」との事。彼女はコンビニのレジ横を「茶色い領域」と呼び、揚げ物は一切食べませんでした。自身の体調管理に厳しい彼女に揚げ物などの重い食べ物は合わないようです。これを機に私含めたクラスメイトはコンビニで彼女に何かを食べてもらう実験もとい挑戦する日が始まりました。何かのタイミングで食べさせたのか忘れましたが、柿の種の評価は良かったですが何故かこのタイミングで彼女はピーナッツアレルギーを発症し柿の種が食べられなくなりました。例えピーナッツを省いても少しでも柿の種にピーナッツの成分がついてると発症したので、その過敏さに本人も驚いてました。他に褒めたのは中華まんとおでんで「美味しい、味のバリエーション多いし、量もティータイムには丁度良い」と関心してました。

「うどん論争」
放課後の概念の無いアメリカで育った彼女は放課後にクラスメイトと雑談することは楽しかったようで「新鮮で楽しい、日本のマンガで良くあるシチュエーションだけど本当だったんだ」と普段クールな彼女も放課後は別人の様にはしゃいで毎日夜まで居残り、とても嬉しそうでした。ただ何のマンガなのかは良く覚えていないみたいでした。
そんなある日の放課後、夕食が無いと知った私は、我が家の近くにはコンビニが無いので夕食を買いにいくのを面倒だと考えた結果、学校前にあるコンビニで買って学校で食べた方が早いと思い、学校前のコンビニで買ってきた大盛きつねうどんとおにぎりを教室で食べていました。(このコンビニは飲食できるスペースの無かったので学校で食べました)その時は他にクラスメイト何人か一緒に夕食を買ったのでプチ夕食会になりました。私がきつねうどんを食べているところを彼女は怪訝そうな表情で「何で茶色いスポンジを食べているの?」と訊いてきました。彼女は油揚げをスポンジだと勘違いしたのです。ここから彼女の猛攻が始まります。
彼女「本当に食べ物なら原材料は何?」
私「大豆だよ、豆腐を薄く切って揚げるとこうなるんだ」
彼女「豆腐は知ってるけど、大豆をどう加工してもこうはならないでしょう?私が日本のこと知らないからって、からかっているんでしょう?」
私「本当だよ。大豆を搾った豆乳にミネラル分を入れると固まるんだよ。木枠の箱に固まり始めた豆乳を流し、重石をのせて無駄な水分を逃がすと豆腐になる。豆腐を薄く切って油で揚げるとそれが油揚げだよ」
彼女「信じられない」
私「スーパーでも普通に売ってるよ」
彼女「みんなに店を誘導されたくない。スーパー側で口裏を合わせる可能性があるから、私の家の近所のスーパーで確認したい」

スーパーに行くという流れになるまで、私はうどんを食べられず学校を出るときには既に日が暮れて夜になってました。彼女の推したスーパーで彼女はようやく納得してくれましたが、きつねうどんのきつねが油揚げを指してる由来には最後まで納得してくれませんでした。この一件で彼女は初めてきつねうどんを食べましたが、とても美味しかったようで一番好きな日本食はうどんになりました。正確には「うどんの出汁」そのものが好きになりました。後日彼女はうどん出汁だけ飲みたいと言ったので私は彼女の良く行くスーパーに行き、ヒガシマルのうどんスープを勧めました。冬の間、彼女の持参した水筒の中身はうどん出汁になるほどお気に入りになりました。
彼女に出汁の原材料の鰹節や昆布など説明すると以外とすんなりと理解しました。日本の高温多湿な気候から素材を加工することで長期保存する知恵だとの推測からでした。流石は才女です。学校の近くにあった乾物屋で鰹節の実物を見せると「こんなになるまで加工しないといけないぐらい日本の気候って劣悪なの?」と驚いてました。ちなみに彼女はソバアレルギーなので、そばは食べられません。

「その他色々」
彼女は元々食物アレルギーが多く、アメリカでも食生活は苦労してたようですが、彼女はアレルギー専用食は恐らく日本より進んでいると語ってました。彼女は「アメリカの食品事業で食品アレルギー症状なんか起こしたら裁判になるから裁判対策で高い安全性を取っていると思う」というのが彼女の推察です。
そんな彼女ですが甘いお菓子の苦手な彼女でさえ日本のお菓子のクオリティの高さに関心をしてました。きっかけは放課後の雑談にクラスメイトが持ってきたお菓子を食べての感想でした。アレルギー持ちなので開封前に原材料確認からチェックする姿は、まるでなんでも鑑定団の鑑定士のようです。特にポテトチップスはカルビーが世界で一番だと豪語してました。彼女曰く「適度な厚さかつ全て均等なポテトの厚さと味のむらの無さ、あの高いレベルの完成度はアメリカには無いし、他の国からの輸入菓子もアメリカと同じくらい酷い。ポテトチップスはもうカルビーしかありえない。ポテトチップスあんまり好きじゃなかったけど、これは(カルビーのポテトチップス)美味しいからつい食べちゃう。体調管理に響く、困るなー」と困惑してました。
「食生活から健康を考える日本の食文化の影響からアメリカも健康面の管理を個人レベルで見直したり、食事の改善はしてるけど味の完成度はまだまだなんだよね、調味料と食材をもっと日本から輸入した方が良いけど高いんだよね。日本の技術をアメリカで特許とりながら商品展開されたらアメリカの食品会社は潰れそうだから政府は守るためにそれを絶対潰しにかかるだろうし、何か良い方法無いかなー?」
と愚痴をこぼしたりしましたが彼女はアメリカの食文化にも辛口でした。
最後にマヨネーズの話を。日本のマヨネーズはアメリカと違い卵黄がメインの酸味より卵の濃さを推したものが主流です。体調管理に厳しい彼女はマヨネーズを避けてましたが、カロリーオフのマヨネーズを試食すると彼女は「この味で本当にカロリーオフなの?嘘書いてるんじゃないの?」と信じてもらえません。美味しさとカロリーの両立の矛盾から最後まで納得はしませんでした。

今も彼女は世界のどこかでうどん出汁を飲んでいると思います。今ならネットで買えそうですし、きっとティータイムに飲んでいるのでしょう。