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豆腐のブログ(プロの発達障害者です)

アスペルガー当事者です。発達障害と全く関係無い話題から当事者の観点まで「ざっくり」書くつもりです。

買いだめ。

私の友達の中に技術職の人がいる。
どのタイプの技術職か秘密らしいのですが、泊まり込みでの仕事も多く、社長も含めみんな泊まることも珍しくないらしく、その中での楽しみはちょっと高めの本格派カップ麺らしい。なので会社の給湯室はカップ麺とレトルトご飯とレトルトおかずが充実していました。少なくなるとその日残業する従業員がくじ引いて買いだめをするルールになってました。代金は社長持ちなのである程度自由ですが、センスは問われます。

震災の日、友達は週末で買いだめのカップ麺を買ってました。その中、私と電話で仕事の愚痴とカップ麺を何買ったら良いか分からないとか色々話してました。私は普段一回で何個買うのと訊くと「30個かな小さい会社だけど毎回こうだよ」と言われたので「どうせなら50とかキリの良い方がいいんじゃないか?」と言うと「あははっ!50か!買っとくわ!」そこで友達と電話を切りました。友達はその買い物の帰りに震災に巻き込まれました。友達は無事でした。

友達は当時、関東某所在住でした。地震は友達が会社の目の前で起きました。会社は夜まで震災での仕事調整に対応しました。電話は繋がらず全く役に立ちませんでした。その日の残業は無しになりました。みんな帰ろうとしましたが、しかし情報が錯綜する中で帰るのは危険ではないかと社長の提案により、従業員全員今夜は会社で寝泊まりすることを提案しました。社長の提案は従業員の中には徒歩で帰宅すると1日はかかると計算した結果でした、流石は技術職です。

会社は電気は使えましたが、ガス、水道が使えませんでした。電気ポットと電気ケトルがあるのでお湯は沸かせますが、問題は水。会社にあるウォーターサーバーでは全員の分までは少し足りません。たまたま予備の水タンクを切らしていたので、ウォーターサーバーにある分しか水はありませんでした。残業するはずだった従業員はその時買いだめしていたことを思いだし、レジ袋に入ったままの大量のカップ麺を見ると大量の大きめのミネラルウォーターがありました。友達は水にこだわる人でいつも飲むのは輸入物の大型のミネラルウォーターでした。水とカップ麺が足りたので、ある分の電気ポットと電気ケトルを一斉に沸かしてカップ麺を食べました。全員が食べ終わったのは3時間経ってました。

カップ麺を50個買ったのも良かったようです。次の日の朝、会社は帰れそうな人を帰し、震災から2 日後、全員一回は帰ることが出来たのです。全従業員と家族の安否は大丈夫でした。一部の従業員の家は被災しましたがライフラインが回復してたので何とかなりそうでした。会社のライフラインが回復したころカップ麺を食べきりました。30個だと足りなかったみたいです。他にもレトルトなども大量に確保してましたが、レトルトは湯を沸かし続けたり、レンジを使ったりする以上、ライフライン復旧するまで使えない最後の切り札だと社長は言ってたそうです。友達は社長から「何で50個買ったの?」と訊かれたので「友達にキリが良いから」と言うと「お礼言っといてね」と言われたそうです。

実はこの会社はもうありません。震災で仕事の調整におわれた後、取引先が次々と廃業し、最終的に会社を畳んだのです。友達はそれを機に関東から地元へと帰郷して現在に至ります。今でもこの話を居酒屋で良く話します。